この人に注目!(8) 親川志奈子さん
昨日の琉球新報と沖縄タイムスに同時にこんな記事が載った。
共同通信の配信記事だから他紙でも読まれた方もおられるでしょうが紹介します。
(琉球新報10/17)
記事によると南アジア(インド山岳地帯)には
チベット・ビルマ語族に属するものだけでも約400の言語があるというからすごい。
この
コロ語はその400の中にも入っていなかったというから新種だね。
でも新種とか記事の中でも使われている“
発見”という言葉も考えてみるとおかしい。
コロ語を現在も話している約800人の人たちにとってはめずらしいものでもなんでもない。私たちが認知していなかっただけのことだ。世界史の教科書の「コロンブスの
新大陸
発見」のあれだね。
このコロ語も若い世代には受け継がれていないらしいから、やがては消えてしまうかもしれない。
これまでにも世界のいたるところでこうした文字を持たない少数民族の言語が数え切れないほど消えていった。
きょうから名古屋で
COP10(生物多様性条約第10回締約国会議)の公式会議が始まった。
最近の動きを見ているとなにか経済会議(南北問題)のような気がしてくるが、生物多様性条約の目的のひとつに「
生物の多様性の保全 」がある。自然界でその生存がピンチになっている絶滅危惧種の生き物たちを人類の英知で何とか守ろうというというねらいだ。いったん地球上から消えてしまえば再生することはない。だからそれが人類の役に立とうが立つまいが消してしまってはいけないのだ。
目を転じると、少数民族・部族が使っている言葉にも同じことが言える。
これまでその部族のくらしや文化を豊かにしてきた言葉。いや言葉は文化そのものでありくらしそのものだ。
こちらは人類の英知を集めなくていいのだろうか。
そんなことを考えていたら、今朝の沖縄タイムスのコラム
「唐獅子」に
親川志奈子さんがこんなことを書いていた。
(沖縄タイムス10/18)
母語でも外国語でもない言葉を
「継承語」という絶滅が危惧される文化遺産と位置づけよう。
その
「継承語教育プログラム沖縄版」がいまこそ必要でないかと彼女は提案する。
表題の
“この人に注目!”はもうひとつの拙ブログの「
地元紙で識(し)るオキナワ」で使っているもの。沖縄に住むようになって多くのよき人たちとの出会いがありました。そのなかでも
「沖縄を引っ張っているなー」と思った人をみなさんに伝えたくて紹介しています。あくまでも私のモノサシです。私が引っ張られているなーかもしれません。
これまで7人の人たちを取り上げました。興味のある方は見てください。
2010/10/04
この人に注目!(7) 新崎盛暉さん
2010/08/24
この人に注目!(6) 川瀬光義さん
2010/07/01
この人に注目!(5) 西脇尚人さん
2010/06/29
この人に注目!(4) 佐藤 学さん
2010/06/07
この人に注目!(3) 目取真 俊さん
2010/05/28
この人に注目!(2) 森口 豁さん
2010/04/20
この人に注目!(1) 知念ウシさん
ああそうそう 上で紹介した親川志奈子さんの「唐獅子」は今回が第8講になります。
過去の分も読んでみたいという方はコチラ(ただミクシーサイトなので誰でも読めないかも。リクエストしていただけたらここに追記・転載します)。サイドバーにあるお気に入りの
「SHINAKOSAN IS OKINAWAN」でも読めます(さがさなあかんけど)。
2010.10.04
外に出てわかること shinakosan vol 6・ vol 7をまとめて
2010.09.06
shinakosan vol 5 『しまくとぅばの価値』
2010.08.23
shinakosan vol 4 『お盆 と しまくとぅば』
2010.08.09
王国を奪われ、土地を奪われ、言葉を奪われ・・・
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